「極め付きの名品」「極めつけは、あの一言だった」。どちらもよく見かける言い方ですが、「付き」と「付け」、どちらを使うか迷ったことはありませんか?校正で出会って、広辞苑と明鏡国語辞典を引き比べてみたら、すっきりした答えが見えてきました。
目次
ポイントを整理すると
- 広辞苑(第七版)に見出しがあるのは「極め付き」だけ。「極書(きわめがき)のついていること。転じて、定評のあるたしかなもの。折紙つき。」と説明されています
- 明鏡国語辞典(第二版)には両方の見出しがあります。ただし「極め付け」の説明は「極め付き。」のひとこと。つまり、意味の本体は「極め付き」に置かれているのです
- 使い分けの目安:定評ある確かなものには、伝統形の「極め付き」が安心。いっぽう日常では「極めつけは〜だった」と、とどめ・決定打の意味で「極め付け」が使われることも多くあります
辞書の「本体」は、どちらも極め付き
「極め付き」の由来は「極書」。刀剣や書画につける鑑定書のことです。鑑定書つき=確かなもの、という発想ですね。広辞苑の説明の最後に「折紙つき」とあるのも面白いところで、実は「折り紙付き」の「折り紙」も鑑定書のこと。同じ発想から生まれた、親戚のような言葉なんです。
いっぽう「極め付け」を、明鏡は見出しに立てながら、説明は「極め付き。」とだけ書いています。これは辞書の「同じ意味ですよ。本体はこちらを見てね」という書き方。「極め付け」の形も広く使われて認められつつあるけれど、軸足はあくまで「極め付き」にある——2冊を並べると、そんな景色が見えてきます。
現場からひとこと
校正でこの言葉に出会ったら、まず「書き手はどちらの意味で使っているかな」と考えます。定評ある確かなものの話なら、両辞書が本体として載せる「極め付き」を選ぶのが安心。「話の最後に来た決定打」を言いたい文脈では「極め付け」がよく使われますが、これはあくまで日常でよく見る傾向。きちんとした文章で迷ったら「極め付き」、そして媒体に表記の方針があればそれに従います。
それでも迷うときは、言い換えという手も。「折り紙付き」「とっておき」「決め手」「とどめの一撃」——ぴったりの言葉に置き換えれば、迷い自体が消えることもあります。
言葉の芯を知ると、表現の幅が広がります✍️
※事例は実際の経験をもとに再構成した架空の例です。

