【校正の現場から】11月なのに、手元はもう新年号 出版の仕事は季節が先に来る

11月のカレンダーの前で、1月号のゲラを抱えた校正者が、先を走る4月号・7月号・10月号の雑誌を追いかけているイラスト。出版の仕事は季節が先に来ることを表している

気づけば、今年もあと2か月。世間がなんとなく気忙しくなってくるころです。

私の手元にあるゲラは、もう新年号。編集さんたちの打ち合わせは、すでに春の話です。出版の仕事をしていると、季節が先にやって来ます。

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カレンダーとゲラは、ずれている

「1月号」は、12月に発売されます。そのゲラを読むのは、さらに前の11月です。だから、紅葉の季節に、お正月の話を読むことになります。

このずれは、一年じゅう続きます。5月には7月号で夏の話を、8月には10月号で秋の話を読んでいます。編集さんたちの打ち合わせは、さらにその先です。夏のうちにお正月の話を、冬のうちに夏の話をしています。

出版の仕事の一年の図解。5月には7月号で夏の話、8月には10月号で秋の話、11月には1月号(新年号)、2月には4月号で春の話のゲラを読み、打ち合わせはさらに先の季節の話をしていることを示している

「年末進行」とは、少しちがう

出版の世界には、「年末進行」という言葉があります。年末年始は印刷所がお休みになるので、そのぶん、しめ切りが前にずれることです。

いまの気忙しさを、そう呼びたくなります。でも、少しちがう気がしました。年末進行は、しめ切りに追われる話です。私が感じているのは、年末に向かう世間の気忙しさと、ひと足先にお正月の話を読んでいる感じが、まざったものでした。

読むときは、読者の季節で

校正をするときに気をつけているのは、読者がいつ読むのか、です。1月号が読者の手に届くのは、12月。これから新年を迎える気持ちで読まれます。

だから私も、11月の机の上で、12月になったつもりで読みます。いまの季節ではなく、読者の季節に合っているか。季節が先に来る仕事ならではの読み方だと思います。

現場からひとこと

カレンダーよりひと足先に、年を越している気分です。新しい年の話を読みながら、今年のうちに読みたい本が、まだ積んであることを思い出しました。

季節は先に来るのに、読書の時間は、なかなか来ません✍️

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